独学による宅建勉強法
■はじめに
能力向上をめざす、ビジネスパーソンのために、独学で出来る宅建勉強法を、自身の経験にもとずいて、ご説明します。
私は、数年前、独学のすえ宅建を受験し、2回目の受験で合格しました。本業は、不動産取引ではないのですが、宅建の勉強を通じて、幅広い知識を身につけようと思い、受験を決意しました。
宅建を受験する意味
宅建受験には、不動産関連の仕事を目指している方はもちろん、それ以外の方でも、メリットが有ります。我々が、日々生活していくうえで、宅建の受験勉強の中身には、生活上必要な多くの知識が詰まっています。
ここでお尋ねしますが、皆様がお住まいの場所は、都市計画区域内ですか。用途地域は何ですか。建ぺい率、容積率は何%ですか。敷地が接している道路は、どこの管轄ですか。など、自らのことでも、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
これらの知識は、資産管理上、重要な情報で、宅建を勉強していく中で、身についていく知識のひとつです。
合格の方法
宅建の受験を決めたら、合格を目指す必要があります。目的の有り無しで、勉強の効果がまったく違います。一般的に、資格試験に合格するには、1回ではなく、2回の受験で合格を目指したほうが、効率よく合格できます。
1回目で、自分の弱点を知り、その箇所を勉強しなおして、2回目での、合格を目指します。したがって1回目の試験は、準備不足でも、受験しましょう。
勉強時間は、個人差があるものの、500時間は確保します。準備は、独学に必要な最低限の学習書を用意します。すなわち、参考書、過去問題集、関係法令集の3冊です。
書店で、自分のフィーリングで選んで良いでしょう。その中でも、過去問題集は、繰り返し読み込みましょう。資格試験に限らず、受験勉強は、以前から、過去問に始まり、過去問に終わると言われています。
民法
宅建試験の1/3を占めるのが、民法です。法律系学部出身者には、復習となるでしょうが、それ以外の方々には、難問です。じっくり学習しましょう。
日本の民法は、明治初期の急ごしらえで、仏、独両国の民法を翻訳したものが元となっています。そのため日本の実情に合わない法文が有り、解釈は、判例によるところが多く、民法の学習を、むずかしく感じさせます。
そのせいもあり、民法の勉強は、人によっては深入りしがちです。受験に必要な程度に留めましょう。でないと、民法が常に頭から離れない民法病という病魔におかされます。
制限法令
都市計画法、建築基準法など、民法、宅建業法以外の分野の多くの法令がこの範ちゅうです。
日常生活に関わる法律が多く、勉強しがいのあるところです。ただし、建築基準法は、けして深入りしてはいけません。奥が深く切りがありません。過去問程度に留めておきましょう。
宅建業法
不動産業を営むための法律です。この分野は、暗記物が多く、全体の1/3の出題数が有り、全問正解を目指して、勉強しなければなりません。ここで取りこぼすと、宅建合格は、遠のきます。
受験ノウハウ
高校、大学の受験から、年数が経っている方も多いのではないでしょうか。想い出してください。なによりも、受験日に、受験場所に、用意するものを忘れずに、健康なからだで行くことが肝要です。
解答用紙には、氏名と受験番号等の記入は忘れずに、解答欄は、とにかく全部書くことです。四肢択一のマークシート方式なので、書けば1/4の確率で正解できます。
2時間で長文を含む50問に解答するのは、からだに負担がかかります。特に試験直後、少なからぬ受験生が目に痛みを感じるほどです。事前の体調管理が大切です。
おわりに
宅建の試験は、年齢、性別、学歴によらず、だれもが、平等に受験できます。頭の良し悪しよりは、熱意と努力が合否に影響します。合格率は、10%台後半と、だれもが手の届きそうな難易度です。
職業のいかんに関わらず、多くの方々が、能力向上のために、受験を目指されることを、お勧めします。