TOEFLリーディングスコアアップのための3ステップ
この記事の目次
はじめに
海外で大学を受験するときや資格取得の際、TOEFLのスコアを求められることが大変多いです。せっかく夢を求めて世界に羽ばたこうと思っても、このTOEFLが大きな壁となってしまっては残念ですね。とはいっても、大学に入るレベルの英語ともなれば、内容が難しいのは当然です。
筆者も以前になんの準備もなくテストを受けたのですが、散々な結果で苦い思いをしたことがあります。でも、TOEFLはしっかりと対策を取ればスコアアップが可能なテストでもあります。そこで今回は、リーディングのスコアアップについて少しご紹介したいと思います。
TOEFLってなに?
英語を学んでいる人はすでにご存知かもしれませんが、世界的に使われている英語のテストとしてTOEICとTOEFLがあります。TOEICは職業系のテストとして企業が多く取り入れているのに対し、TOEFLは英語が第二言語の人にとっての大学入学や資格取得の際の最初の関門と言ってもいいかもしれません。英語圏の多くの大学が入試の際の必要条件としてこのTOEFLを取り入れています。
テストはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4セッションで構成されていますが、どのセッションも複合的な能力が要求されます。例えばライティングのテストでも、文章を読んでからそれに関しての答えを書かなければいけない、というように、リーディングとライティングの能力が同時に求められます。
スコアについて
まずはTOEFLのスコアについて知っておきましょう。今回はTOEFL iBTという、インターネットで行われるテストをベースに話題を進めます。TOEFLのテストスコアには、合格/不合格はありません。各大学などの教育機関や資格取得の際の代行機関などが、必要とされる点数をそれぞれに設定しています。スコアは受験日から2年間有効です。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの各項目はそれぞれ0-30点で評価され、総合スコアは120点満点になります。 リーディングとリスニングのセッションはコンピューターによる採点です。ライティングとスピーキングのセッションは広範なトレーニングを受けた専門家が採点しますが、採点者の先入観により影響を受けないよう、複数の採点者による採点方式が導入されています。
スコアが低いのはなぜ?
英語にはある程度自信があるのにTOEFLのスコアが低い、ということがあります。筆者も、英会話教室では上級クラス、英語系テストもたいてい中級から上級レベルだったので、TOEFLもそれほど準備せずに受けてみました。ところが、総合スコアはなんと120点中45点という散々たる結果という苦い思いをしたことがあります。でも、少し考えてみましょう。
TOEICは商業用、TOEFLは学術用に開発されました。ということは、評価されている内容がそれぞれに違うということです。TOEFLは学術的なレベルを評価するだけあって専門的な用語も多く、確かにレベルの高いテストではあります。大学の講義に出てくるような文章が多く、日常で使う英語とはやはり少し違います。よほど英語力のある人でなければ、TOEFLに特化した学習をしなければ点数が低くなってしまうということです。
スコアをあげてみよう
でも、TOEFLはそれほど難しいのかと諦めてしまうのにはまだ早いです。TOEFLは学術的な内容に特化して評価されている、という特徴をつかんで学習していけば必ず点数をあげることは可能です。やみくもに語彙を増やしたり文法を勉強したり、ということではなく、TOEFLのテスト形式に対応した学習方法がスコアアップへの近道になります。
前にも述べた通り、TOEFLはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの複合的な能力が必要とされます。特に、リーディングは他のセッションのスコアアップの鍵にもなりますので、今回はリーディングのスコアアップについて少しご紹介したいと思います。
ステップ1
出題されている文章の目的を理解しましょう。人は理由があって文章を書きますよね。筆者が何を書いているのか、その目的が分かれば何が重要で何が重要ではないかがおのずとわかってきます。その文章は物事の説明なのか、課題の解決を求めるものなのか、読者を説得するものなのか、まずは大まかにつかんでみましょう。
リーディングセッションの文章は、基本的には序論、本論、結論の3つのパートに分けることができます。最初にその文章は何について書かれるのか紹介され、次に詳しい内容がきて、最後に全体のまとめで終わる、という具合です。
TOEFLの傾向から、序論では最初の数行に目的が書かれていることが多いので、それを逃さないようにしましょう。本文についても、一語一語すべて読む必要はありません。各段落の最初の1~2行をしっかり読んで内容をつかむという練習をしましょう。結論に関しては、最初と最後の行が大事になります。そしてこの3つのパートをつなげると、その文章の全体像を理解することができます。
ステップ2
ステップ1で目的がわかったら、次は文章の構成に注目してみましょう。先にも述べた通り、文章は大まかに序論、本論、結論の3つのパートに分かれます。TOEFLではどの文章も似たような構成を取っていることが多いので、その特徴を理解するとスコアアップしやすくなります。
序論ではまずトピックスの提示があります。その次にくる本論の4~5段落は序論の詳しい説明、そして結論で最終的な意見で締められます。これをもう少し分解してみると、序論では最初の1~2行にトピックスがしっかり述べられ、そのあとにくる文章は装飾であることが多いです。
最後の文章は、トピックスの方向性が示されている大事な文章になります。本論に関しても同じように、最初に大事な内容が書かれ、それ以外は本題を支持する具体的な事例であったり、重ねた説明であったりします。このような装飾の文章に気を取られないようにしましょう。
結論では、最初の行で主要な点が挙げられ、それに対してのさらなる説明が次の2~3行に、そして最後に著者の最終的な意見がまとめられているので、真ん中はさらっと読み、最初と最後に注目するとよいです。
この構成でキーポイントとなるのが、方向指示器となる単語です。まず、最初のトピックス提示から同じ方向へ話が進む場合は、And、Because、Even、Therefore、Another、For example、One reason、Due to などが方向指示となります。次に、トピックスの最初の意見から反対の方向へ話題が切り替わる場合は、Although、However、Yet、Despite、But、In contrast to、On the other hand、Rather などが方向指示となります。
ステップ3
主題を見つけましょう。筆者が何について書いているのか、またなぜ書いているのかを見つけることが大変大切になります。ここまで読んでみて、「これで本当にスコアアップできるの?これでは単に英文を読む場合全般に言えることじゃないの?」と思われるかもしれません。でも、これがTOEFLのリーディングの特徴です。
TOEFLは記憶力を試すものではなく、きちんと内容が理解できているかを問われる評価方法だからです。このように、ステップ1とステップ2で全体像をつかむということがとても大切になります。あとは、ステップ2で述べた方向指示器となる単語を逃さず文章がどの方向に流れているのかをつかめば、筆者がなぜそれについて書いているのか、最終的に何をなんのために書こうとしているのか見つけることができます。
難しい文章を克服するには
ここまでで、TOEFLのリーディングでは全体をとらえ主題を見つけることが大事だということが理解できたと思います。とはいっても、学術的なレベルの難しい文章を読まなければいけないことに変わりはありません。
しかも、テストでは60~100分の間に700ワード程度の文章を読んで12~14の問題に答えなければいけません。そこで前述したステップ1からステップ3までの方法で、大事なポイントだけをつかみあとは流し読みしてしまうということが効果的です。
難しい単語がたくさん出てきますが、ネイティブでもわからないレベルのものもあります。つまり、それらの難しい単語の理解まではTOEFLでそれほど求められていないということです。
もちろん、TOEFL対応の単語帳など、ボキャブラリーを増やすための教材はたくさんありますが、その単語が必ずテストに出てくるとは限りませんし、時間のない方には不向きかもしれません。
それよりも、それらの単語や主題を装飾している文章にとらわれて抜け出せないようにならない方法を身につけてスコアアプを図るということです。
とにかく読もう
あとはとにかく文章を読んでみましょう。といっても、新聞記事を毎日眺めるというのも退屈なものです。お勧めなのがスマホやタブレットなどを利用することです。
筆者の場合は、Facebookの「いいね!」したページにBBC News、The New York Times、Peopleなどを登録しています。最新情報がFacebookのホームにその都度更新されるので、出先でのちょっとした待ち時間などにさらっと見ることができ、流し読みには最高のツールだと思います。
文章の量もTOEFLと同じ程度の記事が多く話題も豊富なので、いろんな内容を限られた時間でさっと読む練習にはとてもいいです。この時にも、Step1からStep3を意識しながら読んでみましょう。次第に大事な点だけ掻い摘んで読めるようになり、難しい単語もその前後から想像できるようになってくるでしょう。
まとめ
以上、TOEFLリーディングスコアアップのための3ステップをご紹介しましたが、このリーディングの戦略がリスニング、ライティング、スピーキングのセッションにも十分応用できます。スコアアップの近道ということで述べさせていただきましたが、特に今までTOEFL用の学習をされたことのない方は最低3か月くらい前から準備されることをお勧めします。
あとは、パソコンで行うテストなのでパソコンの操作と画面のフォーマットなどに慣れておくとよいです。そしてとても重要なことですが、TOEFL iBTテストではアメリカ式のキーボード配列が使用されるので、それに慣れておくということも忘れないようにしましょう。
おわりに
今回はTOEFLリーディングスコアアップのための3ステップということで、自身の苦い思い出も踏まえて書かせていただきました。ハードルが高いと思われがちなTOEFLですが点数をあげることは可能ですので、今回の記事が目標達成を目指す皆様の助けになれば幸いです。