高校中退で社労士試験に合格できた30代の独学勉強法
この記事の目次
はじめに
高校中退の私には、社会保険労務士試験の受験資格がありませんでした。 しかし、数年前に取得した行政書士試験合格を受験資格に社労士試験を受けることができるということを知り、 思い切って独学で試験合格を目指していくことにしました。
近年ニュースによく登場する「労働法関係」「年金関係」についてはまったくといっていいほど知識がなく、機会をみて習得しておきたいなと思ったこともきっかけのひとつでした。 そして、何より士業というひびきがカッコイイと。
社労士試験の概要を知る(情報収集)
出題傾向・合格基準・受験資格・その他合格に必要なノウハウなどをインターネット中心に調べていきました。 合格率一桁の試験は甘くないと知っていた私は、独学で挑戦するということもあり、教材選びが最重要であると考えました。
社労士試験では、各科目のかなり細かい部分まで出題される可能性があるということで、どこまで掘り下げ、どの部分にどのように勉強時間を費やすことにしようか、というとこまで検討する必要がありそうだと感じました。 さらに各科目でいわゆる足切り点の設定もありますしね。(一定点数以上いかないとそれだけで不合格)
教材選び
定評のある某資格試験指導校の基本書・過去問集(択一・選択)と別な著者のまとめ本、それとインターネットで得られる情報を使用することにしました。 それと直前期用の予想模擬試験問題集を加えました。 いろんな教材を組み合わせて使うこともできるというのは独学する者にとっても一種のメリットかもしれません。
通学・通信では教材が充実している(価格もけっこうする)こともあり、他のものにまで手を出すことが難しいでしょうからね。 追加教材として、初回の不合格経験後に気づいたのですが、これらの教材では不足であると判断して「直近法改正対策本」を合格年度まで購入し対策をしてまいりました。
基本書・テキスト
まずは通読(分からなくても1回通して最後まで読みきることで大まかなポイントをイメージする目的)。 これまでに学習経験がなかったとはいえ、正直「とんでもない試験に挑戦してしまった・・・」というのが第一印象でした。 通読を終え、習得するために個別に読み進めていくことんあるのですが、とてもじゃないけど覚えきれないと判断せざるを得ませんでした。
他の資格試験(宅建・行政書士など)を通じて、法律系の勉強は経験が豊富であったのですが、これまでのものと色が違いましたね。 結果、数年後の試験合格までそれほど開く機会がなく、部分的に問題集の解説を補う目的で使用しておりました。 このときの勉強時間は、仕事をしながらであったということもあり、一日2時間が精一杯でした。
過去問題集(択一・選択)
基本書・テキストを使った(いわゆるインプット学習)に早々を見切りをつけて過去問演習に突入することにしました。 「習うより慣れろ」」の精神ですね。 どういう部分が出題のポイントとなっているかを知る目的もあります。
学習初期は、まったくといっていいほどコツをつかむことができず、何を問われているかすら分かりませんでした。 何回か回数を重ねはしましたが、それほど成果が出たとも思えず、直前期の学習へうつっていきました。
模擬試験
公開模擬は通信も含めて受験せずで、市販の予想模擬問題集を出来ないながらも繰り返し演習しました。 過去問より、当年度対策に特化しているつくりですので、より本試験対策として適していると思います。 成績はいまひとつであったものの、繰り返し学習を継続することで完成度を上げることと当年度の傾向をつかむことができましたね。
この予想問題集に関しては例年2社分購入しておりましたが、合格に立った年度は3社分と増やして臨みました。 さらにインターネット上で受験できる無料の公開模試を受験してみましたが、結果はD・E判定(合格可能性0から20%)だったんです。 これら模擬試験の初見(一回目)の成績はいずれの模擬試験でも合格点を取ることはできず、最初の年度を除いたどの年度でも本試験の成績が一番よかったんです。 これはこれらの対策本をうまく利用できたという証拠となりましょう。
本試験を受けてみて
2011.3.11の大震災を受け、岩手会場と山形会場が追加された東北の受験生である私は、岩手会場で受験。 真夏の8月下旬に「冷房設備なし」という伝説の会場であります。 従来の社労士試験とはタイムテーブルが異なっての開催(開始時刻が早くなったり、択一式選択式が逆になったり)となりました。
暑さにはなんとか耐えることはできましたし、解答時間にも余裕があり見直しも十分できましたが、肝心の実力が伴っていなかったようで惨敗でした。 天気に左右される会場というのも考えものです。 あと席にもよりますね。 窓際がいいとか廊下側がいいとかそれぞれあるでしょうから。 できることなら、こういった設備の整っていない会場は避けたいところであります。
不合格経験から
平成23年度試験不合格という結果を受ける前から学習を再開しておりました。 明らかに勉強時間が不足していたのと、社労士試験の的を射た対策ができていなかったことが本試験を経験したことで浮き彫りになりましたので、間髪を入れず、次年度試験対策を開始したんです。
なぜなら、最初の年を除いた2回(平成24・25年度)の本試験では、その合格率から最高難度1位と3位の試験であったにもかかわらず、あと1点のところまで食い込んでいたからです。
その1点も私自身のミスがあったり、まったく学習していなかったところからの出題で涙を飲んだりと、対策がまずかったことが理由ではなかったからです。 さすがに、1点足らずが2年連続でありましたから、かなり沈んだ状態に陥ってしまい、合格に至った平成26年度の勉強時間はこれまでの半分程度でありましたから。 これは実力云々の問題ではなく、運の要素もからんでくるからいくら勉強時間を費やしてもさほど変わりはないだろうという考えからでした。
ついに合格
合格発表当日、インターネットで官報をみて自分の受験番号を発見しました。 平成26年度本試験で何とか合格を勝ち取り、長い間求めてきたものを手に入れることが出来たのです。 私のような者が社会保険労務士試験に合格するなど夢物語だと思っていました。
ちなみに岩手会場での結果は380人程受験で23人合格でありました。 例年より合格率は高めでありましたが、合格は合格です。 連続1点足らず不合格にも負けず、目標達成を目指してがんばってきた結果です。 最高の瞬間でした。
おわりに
引用はございませんこれから社会保険労務士試験を受験される皆さん、 受験を決意したということは、何らかの意図があってのことでしょう。 独立開業や就職・転職、もしくは自己啓発のためかもしれません。 これも何かのご縁であります。 目標の達成を成し遂げるまで、様々な障害も出てまいりましょうが、志を高く持ち、頑張っていただきたいです。