はじめに
数多ある資格の中には、履歴書に書いて意味がなかったり、実務に役立たなかったりするものも少なくありません。本当に役立つ資格を持っていてこそ、自分のスキルを簡単にアピールすることができます。そこで、今回はIT業界で働きたい場合におすすめな情報処理資格についてご紹介します。
IT業界における資格
ITの活用範囲は広く、多種多少な専門技術があります。そこで極端な例ですが、「パソコンが得意です」と言ったときに、Eメールが扱える程度なのか、プログラミングができるのか、ネットワーク構築ができるのかは傍から判断できません。もちろんそのために職務経歴書などがあるわけですが、それを客観的にある程度保証してくれるのが情報処理資格です。
情報処理資格
情報処理資格には、
経済産業省が行う情報処理技術者試験
企業そのものや、企業出資団体が行うベンダー試験
などがあります。
両者の違いとしては以下の点が挙げられます。
情報処理技術者試験
国家試験
受験費用が安い
ベンダー試験
民間試験
受験費用が高くなりがちです。
情報処理技術者試験
国家資格なので、数ある情報処理資格の中でも信頼度が高いです。
レベルは4段階に分けられ、初めはIT知識のない方でも難易度の易しいものからコツコツ勉強すればステップアップしていくことができます。
試験は春期(4月第3日曜日)・秋期(10月第3日曜日)に行われます。
※ITパスポート試験のみ通年
受験費用は全試験区分共通で、5,100円(税込)です。
レベル1:ITパスポート試験
情報処理技術者試験の入門試験と言って良いでしょう。ITに関する基礎知識が問われます。試験会場にあるCBTというコンピュータで回答を行います。
開催:通年(週1~3回)
試験時間:165分
試験概要:多肢選択(4択)
レベル2:基本情報技術者試験
ここからマークシート試験になります。
開催:春期と秋期
試験時間:午前(150分)と午後(150分)
試験概要:午前は多肢選択(4択)、午後は多肢選択
レベル3:応用情報技術者試験
マークシートに記述式が加わります。
開催:春期と秋期
試験時間:午前(150分)と午後(150分)
試験概要:午前は多肢選択(4択)、午後は記述式
レベル4:高度情報処理技術者試験
レベル4は専門分野に特化した分野別試験で、
・ITストラテジスト試験
・システムアーキテクト試験
・プロジェクトマネージャ試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・データベーススペシャリスト試験
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
・情報セキュリティスペシャリスト試験
・ITサービスマネージャ試験
・システム監査技術者試験
があります。
自分のキャリアパスと相談して、受験する試験を決めるのが良いかと思います。
開催:資格による(春期と秋期で年2回行われる試験と、春期または秋期の年1回行われる試験がある)
試験時間と概要:
午前I(50分)-多肢選択(4択)
午前II(40分)-多肢選択(4択)
午後I(90分)-記述式
午後II(120分)-記述式
ベンダー試験
民間試験なので様々なものがありますが、日本の求人でよく見かけるのが以下のものです。
オラクルマスター
シスコ技術者認定(CCNA・CCNP・CCIE)
サンマイクロシステムズSolaris認定資格(SCSA・SCNA)
ベンダー資格は特定企業の製品や技術について知識を問うものが多く、汎用的な知識が問われる国家資格よりも試験範囲はより狭く深いものとなります。汎用的に業務に役立てるためには、IT業界でシェア率の高いコンテンツを持ったベンダー試験を受けるのがおすすめです。
メリット-就職・転職
就活生が就職活動の際に情報処理資格を持っていると、スタートラインに並んだ学生たちの中から頭ひとつ抜いた存在となれます。入社前からIT知識に触れる意欲があり、実際に資格を取得できるほど勉強してきた実績が、大きなアピールポイントになります。
これはもちろん転職時にも同じことが言えます。在職中でも社会人になってからの資格取得は、忙しい社会人になっても学ぶ姿勢がある好印象を与えられます。情報処理資格の中には実務経験がないと難易度の高い試験もあるので、経験値を上げてどんどん資格資格に挑みましょう。
メリット-給与アップ
IT業界の求人では
○○資格を取得した場合、報奨金○万円支給
○○資格を保持している場合、月々の給与にプラス○万円支給
といった記述が見られることも少なくありません。
前者の場合、入社前に取得した資格でも適応してくれる会社が多いように思います。
後者の場合、基本給が上がるようなものなので、勤続年数が上がるほどお得です。資格取得が給与アップに直接結びつくのは嬉しいですね。
企業の資格取得支援
求人情報を見るとわかりますが、資格取得を支援してくれる会社は非常に多いです。資格取得に必要な参考書代やセミナー費用や受験費用を援助してくたりします。
受験費用については合格した試験の費用のみということが多いので、確認しておきましょう。
資格を重視する企業の場合、入社にあたって
入社○年以内に○○資格の取得が必須
昇進にあたって○○資格の取得が前提
という条件が提示されることもあります。
おわりに
引用なし自分が興味のある資格を取得し、専門性を高めていくことで、興味ある仕事に繋がっていくことがあります。キャリアパスの道標としても有効なのではないでしょうか?なかなか合格できなかったり、勉強が辛いこともあるかと思いますが、実務に役立ち、給与や昇進に結びつくことは大きなモチベーションになると思います。社会人になっても勉強しつづける姿勢を持ちたいですね。