社会人対象簿記2級の勉強時間を効率的に使い合格する方法
この記事の目次
はじめに
日商簿記2級は企業が社員に求める資格No.1です。経理部の社員のみならず簿記2級合格を目指して勉強する人は多いでしょう。簿記3級合格者が、簿記2級に挑むとその内容の難しさに戸惑います。日商簿記の難易度を建物で表現すると、3級は6階、2級は19階、1級は100階に上がるようなものと言われます。社会人は時間がありません。社会人を対象に、簿記2級の勉強時間を効率的に使い合格する方法を説明します。
勉強の計画を立てまし
日商簿記2級合格までにかかる時間は、日商簿記3級取得を前提にすると、180時間と言われています。毎日1時間づつ勉強すると約6ヶ月かかります。社会人は忙しいので、毎日勉強時間が取れなく、空いている平日にまとめて、または週末にまとめて勉強する場合も6ヶ月ぐらいはかかります。 資格取得にはお金もかかります。専門学校に通うと10万円以上の出費があります。費用を考えると独学になります。簿記3級は独学でも十分合格します。
しかし、簿記2級は出題範囲も広く、暗記だけでは合格できない問題になっています。国家資格と違い、簿記2級試験は毎年少しずつ問題の傾向を変えています。よって、過去問で合格点が取れても、実際の試験では不合格になる場合もあります。問題と答えを覚えるだけでは合格できません。簿記を理解する必要があります。時間の制約がある社会人には、独学では理解するまでに時間がかかりすぎます。 よって、講座の受講をお勧めします。専門学校に通う時間のない方には、DVD等の通信講座の受講をお勧めします。
教材をそろえましょう
通信講座の選び方ですが、大手会計専門学校の資料を取り寄せましょう。通信講座でも専門学校の講座は高額です。よって、教育訓練給付の支給を申請しましょう。簿記検定など教育訓練給付対象の教育訓練講座を受講すると、支払った受講費用の20%(上限10万円)を雇用保険から受給することができます。
高額なものは値段に比例して内容がしっかりしています。短時間で一発で合格したい場合は、大手専門学校の通信講座の受講をお勧めします。 他に、インターネットでは、無料の簿記講座の動画も最近は配信されています。Youtubeでも探すことができます。
勉強方法を工夫しましょう
勉強方法は出来るだけ隙間時間を利用しましょう。通信講座の講義DVDをスマートフォンで再生ができるファイルに変換し、通勤中の電車の中や昼休みに見ることをお勧めします。テキストがあれば、それも通勤中の電車の中や昼休みに見ましょう。 他、仕訳問題もスマートフォンの仕訳問題アプリをインストールして、通勤中の電車の中や昼休みにすることが出来ます。このように、インプットに関しては隙間時間を利用します。 次に問題集を解くようなアウトプットについて説明します。
簿記試験は筆記試験なので、参考書を読むだけでは合格しません。多くの問題を解くことが合格への近道です。問題集等は、図書館、ファーストフード店、コーヒーショップ等で勉強するのがお勧めです。自宅での勉強は効率が悪いです。飲食店での勉強は費用がかかってもったいないと思うかもしれませんが、自宅勉強との集中力や効率を考えると、コストパフォーマンスは悪くありません。試験合格のための必要経費だと思い、外で勉強することをお勧めします。
試験を申し込みましょ
日商簿記2級試験は、年3回試験が行われます。毎年6月、11月、2月の日曜日に行われます。申込受付は試験の1~2か月前から始まります。勉強時間が6ヶ月とすると、試験の申し込みをしてから勉強を始めたのでは遅くなりますので、試験申し込み前に勉強は始めていると思います。
試験の申し込みは電話でもネットでも可能です。どちらも労力は変わりありません。申し込み忘れることがないようにしましょう。試験時間は120分、試験費用は4,630円(税込)、合格基準は70%以上です。
過去問を解きましょう
講座の受講が終了したら、過去問を解いて問題の傾向をつかみましょう。大事なことは最近の問題の傾向をつかむことです。簿記試験は試験の傾向が徐々に変わります。これは簿記が実務を想定したスキルを身につけるための勉強を目的としているので、企業の経理処理で行われていないことは試験として出題されることがなくなっていきます。
よって、5年前の出題傾向は参考になりません。直近3年分くらいを2回ずつ解いてください。ちなみに過去問の問題と答えを覚えることに意味はありません。簿記試験は同じ問題が出題されないからです。
予想問題を解きましょう
過去問を2回解いたら、予想問題を解きましょう。予想問題は実際の試験より少し難しく作成されています。それは簿記試験が今までとは違う傾向の問題を出題してくる可能性があるので、応用力をつける訓練をするためです
予想問題は今まで勉強してきたことをしっかり理解していないと解けません。なるべく多くの予想問題を120分以内で70%以上の正答が出来るようがんばりましょう。
勉強の仕上げをしましょう
仕上げの勉強は仕訳です。簿記2級試験は、第1問に仕訳問題が5問出題されます。他の問題の配点が1か所2~4点に対し、第1問の仕訳問題の配点は必ず1問4点で、5問で20点になります。第1問で全体の1/5の配点になります。仕訳問題対策としては、商工会議所の簿記サイトに掲載されている「許容勘定科目表の作成及びその利用方法について」を見ておきましょう。
許容勘定科目表に掲載されている勘定科目は出題される可能性があります。試験で全く見たことがない勘定科目が出てきて慌てないようにするために目を通しておくことをお勧めします。 教育訓練講座を選ぼう・受講しよう 許容勘定科目表の作成及びその利用方法について
おわりに
簿記2級試験は3級試験と違い、急に内容が難しくなります。問題数は少ないのですが出題範囲は広いので、出題範囲を満遍なく勉強をしておく必要があります。簿記の本質を理解し、多くの問題を解くことが簿記2級取得の秘訣です。一発合格を目指し、頑張ってください。